宅録する際に必要になる防音対策とその方法
投稿日：2021.01.08
自宅で歌や演奏を録音する宅録。わざわざスタジオを予約する必要もなくお手軽ですし、動画サイトに映像をアップして人気を集める人も登場しています。とはいえ、音を出す作業で欠かせないのが防音対策です。しっかり防音対策をしないと、出来上がった作品に雑音が入り、仕上がりが低レベルになるだけでなく、ご近所から苦情が入る可能性もあります。この記事で、宅録での防音対策と方法について説明しますので、ぜひ参考にしてください。
宅録をする際の問題点
宅録の問題点としては、ふたつのことが挙げられます。ひとつは、室内で歌う声、演奏する楽器の音が外に漏れてしまうことです。特にアパートやマンションの場合は、音の振動が床や壁を通して他の部屋に伝わってしまいます。近所迷惑にならないように、しっかりとした対策が必要です。
もうひとつは、入ってほしくない音が混入してしまうことです。例えば踏切の警報機の音、車のクラクション、外で子どもがはしゃぐ声など。普段はさほど気にせずにやり過ごせる音でも、録音をするとなると話は別です。外からの雑音を入れないための対策は必須です。
宅録をするときにやっておきたい防音対策
では、具体的にどのように防音対策をすればよいのかを考えてみましょう。音の伝わり方には、2つのパターンがあります。ひとつは空気を通して伝わる「空気音」、もうひとつは、床や壁が振動することで伝わる「固体音」です。宅録では、このどちらの音にも対策が必要です。
具体的には、以下のことに取り組んでみましょう。
カーテンを閉める
カーテンを閉めることで、室内で出す歌声や楽器の演奏音など「空気音」の外漏れを軽減することができます。完全にシャットアウトすることは難しいのですが、閉めないよりは閉めたほうが効果的。防音効果や遮音効果のあるカーテンも市販されているので、そういったものを取り付けてもよいでしょう。
なお空気音は隙間から漏れていくので、カーテンは窓枠全体をしっかりと覆い隠せるサイズにし、カーテンレールの上にも専用カバーなどを取り付けると効果的です。
防音効果のある床材を敷く
ピアノなどの床を通して伝わる固定音に対しては、「吸音」といって、音を制振するタイプの床材を敷いて対処しましょう。音が外に漏れないように跳ね返す「遮音」の素材もありますが、それだと室内に音が反響してしまいます。しかし制振素材であれば、素材に音が吸収されるため外にも漏れず、室内の音もクリアです。
吸音の素材には、ロックウール、グラスウール、ウレタンフォームなどがあります。また、それらの素材を用いた防音マット、防音カーペットなども販売されているので、楽器の種類や広さに合わせて購入することを検討してみてください。
自然素材のコルクを使ったコルクマットを敷くという方法もあります。ピースをつないで大きさを調整できるのでとても便利です。
簡易な防音室を設置する
できるだけ音漏れを防ぎ、外から入る環境音にも対処するためには、簡易な防音室を設置するという方法もあります。段ボール製で組み立ても分解も手軽にできる個室タイプのもの、ボーカル専用で顔の部分だけを囲うもの、衝立式になっている吸音材など、さまざまな製品があるので、用途や目的に合わせて選びましょう。
DIYが得意なら、市販されている防音材や吸音材、壁に貼って使える防音パネル、床に敷く防音シートのほか、発砲スチロールや不要になった毛布などを利用しながら専用スペースを作ることもできます。
防音室を施工する
趣味の域を超えて本格的な音楽活動を目指す場合、あるいはすでに音楽活動を本職としている場合は、防音室の設置がおすすめです。
一部屋をまるごと防音仕様に工事することもできますし、部屋の中に設置できる組み立て式の防音室もあります。組み立て式の場合は、大がかりな工事を施す必要がないこと、用途、楽器の特性に合わせて広さを選べることがポイントです。
防音室を設置すれば、音漏れすることはなくなりますし、外から入ってくる音に悩まされることもなくなります。上記で紹介した段ボールなどの簡易防音室に比べると費用はかかりますが、長い目で見ると結局は割安になることもありそうです。音漏れなど、気を遣うストレスから解消されることも大きなメリットといえます。
宅録をするときに入る可能性のある環境音の混入対策
外から入ってくる音を完全にシャットアウトしたいのであれば、防音室の施工をしたり、ビルトインタイプの防音室を設置したりするのがいちばんですが、使用するマイクを変えることで対処できる可能性もあります。
ひと口にマイクと言っても、周囲の音を広く拾うもの、目の前の音を拾うものなど、さまざまなタイプがあるので、できるだけ目の前の音を拾うことに特化したマイクを使ってみましょう。
さらに、外からの音が入りやすい窓やドアに遮音テープを貼って隙間を覆ったり、発砲スチロールや毛布などを取りつけたりといった対策も効果が期待できます。
宅録の防音対策をどのようにしたらよいか悩んでいる方、迷っている方は、お伝えした内容を参考に、対策を検討してみてください。もしも音楽活動を本業にするなどの理由でより完全な防音を目指しているのであれば、部屋に防音リフォームを施したり、ビルトインタイプの防音室を設置したりすることを考えてみましょう。そうすれば、納得のいく録音ができるはずです。
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集合住宅や戸建住宅の防音室の工事に際しましては、様々な建築会社、デベロッパー様と連携を取らせていただいております。
