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ライブハウスに必要な防音対策

投稿日:2021.10.04

ライブハウスに必要な防音対策

多くの有名ミュージシャンも、最初は小さなライブハウスから演奏活動を始めています。ライブハウスは、そんな演者と、支持する観客が一体となれる夢の空間ともいえる場所です。しかし、そんな夢の空間も、立地や設備によっては近隣から迷惑がられる場所になりかねません。
ここでは、近隣とのトラブル回避や、優れた音響設計のために欠かすことができないライブハウスの防音対策について解説します。

ライブハウスにおける防音対策の重要性

ライブハウスはいうまでもなく、音を楽しむ空間です。外部の騒音がライブハウス内に入ってきてしまうようでは、最高の音を楽しめません。また、逆にライブハウスの防音対策が不完全だと、音が漏れてしまい、近隣とのトラブルに発展しかねません。

近隣からの苦情への対応や防音工事のための改修工事には、多くの労力と費用が必要になります。場合によっては、一定期間の休業を余儀なくされ、経営にも打撃を与えかねません。このような状況を未然に防ぐ意味でも、ライブハウスを作る段階から、防音対策をしっかり講じることが重要です。

ライブハウスに必要な防音対策とは

音の大きさは一般的にdb(デシベル)という単位で示されます。ライブ演奏では、音楽ジャンルによっては最大130db程度の音が出る可能性があるといわれていますが、それでは130dbとは具体的にどの程度の音量なのでしょうか。

日常生活で発生する、テレビ・洗濯機・乗用車の車内などの音は、おおよそ60db程度。少し「うるさい」と感じるレベルです。また、地下鉄の車内や、1mの距離でのピアノ演奏音などは80db程度で、ここからは「かなりうるさい」と感じると言われています。さらにうるさい飛行機のジェットエンジン音が120~130db程度ですから、130dbが相当な音量だということが分かります。

一方で、壁や建具の防音・遮音性能を示す指標がDr(D)値です。この値は同値のdb値を平均して遮る能力を示します。例えば、Dr-50の遮音性能を持つ製品は、平均して50dbの音を遮る性能を持っているということになります。

ここで「平均して」と記したのは、音には「大小」だけでなく、「周波数の高低(Hz)」があり、周波数が高い方が音の大きさを遮りやすく、低い方が遮りにくい性質があるためです。走っている車から、スピーカーの重低音だけ聞こえてきたことがありませんか? これも、周波数の低い音だけが漏れてきているため起こっている現象です。

従って、必ずしも「Dr値=遮るdb値」とは限らず、Dr値はあくまでも平均的な数値ということになります。

先述したように、ライブハウスの場合は、最大で130db程度の音量が出る可能性があります。外部への音漏れを「うるさい」と感じる60db未満に抑えるためには、周波数の高低差も考慮すると、Dr-65~90程度の防音性能を講じたほうが良いでしょう。

ライブハウスの防音対策の注意点

ライブハウスの防音対策には、同時に振動への対策も考慮する必要があります。観客が飛び跳ねたりするいわゆる「縦ノリ」の振動によって、近隣とのトラブルに発展するケースもあります。そのため、防音だけではなく、振動に対する対策も講じなければなりません。

とはいえ、実は防音対策と防振対策には共通性があります。遮音性能を高めるためには、壁などの部材間に空気層を設けた二重構造にすることで音を伝わりにくくしますが、実はこの二重構造は防振対策としても有効だとされています。壁、床、天井を二重壁にし、その間に防振ゴムなどの防振装置を設置した浮き構造にすることにより、振動を吸収することができます。それは同時に、音の空気伝搬だけでなく、固体伝搬も低減し、高度なレベルの遮音を実現することができます。

ただ、ライブハウスは音を楽しむ場所ですから、いくら防音・防振対策が重要とはいっても、音響の良さを犠牲にしては本末転倒です。同時に適切な音響設計も必須となります。音響設計のポイントは以下の3つです。

音響設計

音響設計は、そのライブハウスでどのような演奏をするかによって変わります。クラシックのコンサートなのか、ロックバンドのライブなのか、まずはライブハウスの用途を明確にし、演奏する音楽に合わせて設計すると良いでしょう。

外部からの騒音の除去

外部からの騒音の除去が必要です。これには、前述の防音対策を参考にしてください。

音響障害の除去

反射音や残響などの音響障害の除去も必要です。反射音を考慮した室内形状の設計や、残響過多を抑止するための吸音処理が欠かせません。

このように、防音対策と音響設計は密接に関わっているので、両者は常にセットで考えましょう。

ライブハウスの防音対策にかかる費用目安

ライブハウスの防音対策にかかる費用は、必要とする防音・遮音性能、施工面積や目標とする音響品質によって変動します。一般的に、専門業者により設計・施工された高度な遮音性や音響品質を有する防音工事の坪単価は100万円以上が目安です。

国内外を問わず、ライブハウスは有名ミュージシャンの登竜門として、様々な伝説を生み出してきました。出演者、観客、地域に愛される息の長いライブハウス作りにおいて、防音対策はとても重要です。ライブハウスの防音工事をご検討の際は、ぜひ高橋建設株式会社までご相談ください。
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