音の伝わり方

音の伝わり方は空気の振動によるものです。しかし、モノから発生する音にはそれぞれ違いがあり、聞こえ方も違います。それでは、音の伝わり方にはどのような違いがあるのでしょうか。ここでは音の伝わり方について詳しく説明したいと思います。

空気を伝わる音とは


音は三要素(音の大きさ、音の高さ、音色)から成り立っていますが、すべては空気を伝わって耳に届いています。これを定量化したものが三要素であり、音階なのです。
そもそも、音は何によって発生するのでしょうか。それは、物自体の振動からです。手を叩くと「パチン」と音がしますが、出どころは手と手の振動が音を伝わって耳に届いているのです。この、物体が振動してから空気が振動し、耳に届くまでを「音速(マッハ)」と呼ばれることもあります。

音速は非常に早いのですが、遠くで鐘を打っても聞こえる音が遅れてくるように、限界があります。この速さには、空気の振動が伝わるまでの時間によって変化するので、出どころに近いほど濃い(大きい)音となり、遠くに行くにつれて薄く(小さく)なるのです。
さらに、音は波のように揺れながら伝わります。この揺れが細かいほど高い音になり、広いほど低い音になるのです。

固体を伝わってくる音とは


音は空気の振動によって伝わっています。しかし、伝わるのは空気だけではありません。固体の振動によっても音は伝わるのです。さらに、音の伝わり方は、空気の密度によっても違います。これが、固体になるとさらに密度が高くなるので音が伝わりやすくなるのです。
私たちが音を認識するのは、空気を通じて耳で聞いて認識します。しかし、実際には固体に音が伝わっており、空気中にはない音が固体の中には含まれている場合があるのです。
駅のホームにいるとき、線路からカタカタと音がすることがあると思います。それは遠く離れた電車が放つ音が線路(鉄)を伝わってきているのです。私たちは線路から空気を伝わってくる音だけが聞こえていますが、線路の中には非常に激しい音が流れているのです。

液体中を伝わる音とは


音は液体中も伝わります。音が伝わるメカニズムは一緒で、液体が振動して波が届く事が原因となります。
ただし、液体は伸縮性がなく、密度が一定なので音が伝わりにくくなります。水中で話してもなかなか聞こえないは、音が伝わる液体の性質が関係しているのです。

空気と固体を伝わる音とは


音は物質同士のぶつかり合いから発生しますが、伝わった音も物質にぶつかります。その際、音が物質から跳ね返ってきたり、吸収されたりと変化するのです。
例えば、ライブハウスの壁は防音加工されているので、音を通さずに吸収します。また、協会や聖堂などの壁は音を跳ね返す性質を持っているのでよく反響します。
音が物質にぶつかると、物質が反応します。空気を伝わった音が物質に吸収され、物質の中に伝わるのです。壁やドアに耳を当てて話し声をきこうとするように、物質を通して音を認識することもできるのです。さらに、空気より密度の高い物質は、音が伝わりやすくなります。従って、壁やドアの素材によっては音を通してしまったり、壁やドアから音が漏れてしまったりするのです。
音の伝わり方は、空気や物質の振動からくるものです。従って、音をつたえる物質や空気によって、音が伝わりやすかったり、伝わり難かったりするのです。