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音響設計に欠かせない音響障害への配慮について

投稿日:2015.03.25

音響設計に欠かせない音響障害への配慮について

音響障害とは、屋内の音響設計が原因で起こる、音の特異現象のことを言います。音響障害にはいくつか種類があり、それぞれに原因と解決策が存在します。せっかく作った施設が台無しになることを避けるため、これらの音響障害を発生させない音響設計を行っておくことが重要です。

ここでは、3つの代表的な音響障害についてご説明します。

定在波とは


定在波とは、進行する直接音と反射音が重なり、音波の波形が進行しないように見えることで、これにより特定の音が聞こえなくなったり、逆に大きく聞こえてしまったりという現象が起きます。

通常人が音を聞くときは、まず音源から進行する音波を鼓膜がキャッチし、それから反射してくる音波をキャッチして、その時間差から残響をとらえることができます。しかし、これらの音が同時に聞こえてしまうと、どちらか片方の音しかキャッチできず、もう片方の音はかき消されてしまうことがあるのです。

定在波は音の性質による弊害ではなく、音波の重なりが原因で起きる現象なので、音響設計によって解消することができます。

例えば、吸音材を設置してある程度吸音をして、反射する音を小さくすること。反射音と直接音に差があるように聞こえるようにすることで、定在波を抑えることができます。また、残響をできるだけ短くし、直接音との時間差を付けることでも解消することができます。

ブーミングとは


ブーミングとは、特定の周波数の音がよく響き、「ブーン」と音をたてる現象のこと。主に、低音域で起こりやすい傾向にあります。この現象は音の明瞭度が損なわれ、本来の低音がより膨張して聞こえるようになってしまい、音源に比べ非常に聞き取りにくいものにしてしまいます。

特に狭い部屋やコンクリートで囲まれた部屋で起こりやすいですが、ブーミングは聞き取りづらくするだけでなく、不快な響きをもつことから、音楽スタジオなどで起きては致命的な現象です。

こういったブーミングを解消するためには、しっかりと吸音をする必要があります。音波による振動に弱い材質の壁だと、このブーミングは発生しやすくなってしまいます。吸音材を適所に配置し、振動をより抑えることによって解消することができます。

フラッターエコーとは


フラッターエコーとは、向かい合った壁や天井などから繰り返し音が反射して、濁った音が断続的に聞こえる現象のことです。例えば、平行した壁に音がぶつかると、それが反射して反対側の壁にぶつかり、それがまた反射して……と、音波のバウンドが何度も続いてしまいます。

その音波が反射し合っている中にいると、双方向からさまざまな大きさの音が聞こえてしまうため、明瞭でない濁った音になってしまうのです。

このフラッターエコー現象は、壁や天井が平行して並んでいる場合に起こりやすい傾向にあります。天井や壁面の形状を平行ではなくして音の逃げ場を作ったり、音の反射を減らすために吸音したりするといった方法で解消することが可能です。

こういった音響に関する障害は、プロが使うようなライブハウスやスタジオでもまれに発生する厄介な問題です。これらの音響障害について理解を深めておき、問題が起きる要因を潰せる音響設計にしましょう。

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