ペット可の賃貸物件で起こりやすいトラブルとその対策

日常のストレスや疲れを癒してくれる可愛い動物たち。ステイホーム時間の増加などの影響もあって、ペットを飼う人は増えており、ペット飼育可の物件であれば賃貸でも動物と暮らすことができます。しかし一方で、集合住宅ではペットに関連したトラブルが多いことも事実です。
この記事ではペット可の賃貸物件で起こりやすいトラブル、その回避の方法などについて説明します。

ペット可の賃貸物件で起こりやすいトラブル

ペット可の賃貸物件で起こりやすいトラブルとして、主に「飼育者のマナー問題」「臭い問題」「騒音問題」の3つがあげられます。

ペットの飼育者のマナーに関するトラブル

まずあげられるのが、ペットそのものではなく、飼育者のマナーやモラルに関するトラブルです。そもそも規約で「猫は不可」「犬は小型犬のみ」「多頭飼い禁止」などの規定があるにも関わらず守っていない規約違反のケース、また、共用スペースのホールや廊下、エレベーターなどでリードを放す、排泄させるなどの迷惑行為などがあげられます。

ペットの臭いに関するトラブル

飼育者は慣れてしまって鈍感になりやすいのが臭いの問題です。ペットから発生する動物臭はもちろん、特に夏場にエサや排泄物などを放置しておくと室内からも臭いが漏れる可能性があります。

ペットの足音や鳴き声に関するトラブル

ペットは生き物ですから、ある程度の騒音は発生してしまいます。犬や猫、鳥の鳴き声や、場合によっては足音、ウサギが床を掘る音、夜行性のハムスターが動く音など、発生源はさまざまです。音の感じ方は非常に主観的なもので、同じ音でも、気にならない人もいれば、騒音だと感じる人もいるため、トラブルになりやすいといえます。

ペット可の賃貸物件でトラブルを起こしてしまったらどうなる?

「ペット可の賃貸物件」とは、どういった飼育の状況でも構わない、という意味ではありません。飼育者のマナーやペットのしつけが不適切で他の住民からクレームが発生すれば、家主から改善要求される場合があります。過去の判例では、こうしたクレームへの対応として、貸主から借主に対し、賃貸契約の解除が認められたケースもあります。

ペット可の賃貸物件では、一般的に室内を傷つけたり汚したりするケースで退去時に賠償金を要求されるケースは多くありません。もともとペット可の物件はその点を織り込み済みで、敷金や礼金を高めに設定し、そこから退去時のクリーニング費用などに充てるようになっているからです。

ただし、共用スペースを汚損・破損した、室内に通常の想定以上のダメージを与えたなどの場合は、別途賠償金を請求されるケースもあります。

ペット可の賃貸物件でトラブルを起こさないための対策

ペット可の賃貸物件でトラブルを起こさないためには、以下の点に注意しましょう。

利用規約を確認する

まずは契約時に、飼育しても良い動物の種類・頭数・大きさなどの基本的な条件に合致するか確認しましょう。さらに避妊・去勢手術済みであること、ワクチン接種済みであること、しつけがされていることなど、より詳細な条件が書かれている場合もありますので、しっかりチェックしておきます。

また、入居後の行動にも一定の規約がある場合があります(例えばエレベーター内ではペットを必ず抱き上げるなど)。このような点もあらかじめ知っておくと、入居後のトラブルを減らすことができます。

消臭グッズを利用する・部屋やペットの身体を清潔に保つ

ペットの臭い対策には、消臭スプレー、消臭ペットシーツなどの便利なグッズも多くありますので、適宜使用すると良いでしょう。そして、ペットの身体を定期的に洗う、ケージを掃除する、エサの食べ残しや排泄物の管理をきちんと行うなどして、清潔な飼育環境を整えます。臭いの問題は大きく改善されますし、ペットの健康のためにもとても重要です。

防音対策をする

内見時に、その物件の室内の防音性能がどの程度なのか確認しておきましょう。ペット可物件といっても、そのすべてで防音設備が十分なわけではありません。「普通の賃貸物件を、そのまま条件だけペット可にした」という物件もあれば、「壁材や床材などにペット飼育に適した防音リフォームをした」ところもあり、さらに「建築時からペット共生住宅として部屋の防音設備を整えた」ところなど、レベルはさまざまです。

建物の防音設備が不足していると思われる場合には、飼育者のほうでも窓に防音カーテンをかける、足音対策として床に防音カーペットを敷くなど、ある程度の対策が必要となるでしょう。また、ペットがムダに吠えたり鳴いたりすることがなるべくないように、しつけと管理を行うことが大切です。

ペット可の賃貸物件でのトラブルによって、強制退去や賠償金を請求されるケースもあります。家族の大事な一員であるペットと楽しい生活を送るために、こうしたトラブルを起こさないようにしっかり対策しましょう。

また、より具体的なペットの騒音対策について役立つ情報を以下にまとめています。ぜひご参照ください。
ペット(犬)のための防音対策について
マンションで飼っている猫の鳴き声や足音の防音対策
インコの鳴き声が響く!効果的な防音対策とは